白鴎大学 HAKUOH UNIVERSITY

法学部

教員紹介詳細

教員氏名 岩﨑 忠(イワサキ タダシ)
職名 教授
最終学歴・学位 東京大学大学院法学政治学研究科修士課程公共政策Ⅱ(政治専攻)専修コース・修士(法学)
専門分野 行政学、地方自治論、政策法務論
学協会活動 日本行政学会、日本公共政策学会、自治体学会 ほか
【主な著書・論文等】
・「人口減少時代における水道行政~群馬県の水道広域化を中心に~(1)(2)」『自治研究(第95巻第10号・第11号)』単著、第一法規、2019年
・『空き家問題の背景と対策~未利用不動産の有効活用~』共著、日本経済評論社、2019年
・「地方創生時代の自治体間連携~圏域マネジメントの視点から」『日本地域政策研究(第22号)』単著、日本地域政策学会、2019年
・「公営住宅の整備・管理における分権化の影響と有効活用の可能性」『都市問題(第109巻第4号)』単著、後藤・安田記念東京都市研究所、2018年
・『自治制度の抜本的改革~分権改革の成果を踏まえて~』共著、法律文化社、2017年
・『自治体経営の新展開』単著、一藝社、2017年
・『第2次分権改革の検証~義務付け・枠付けの見直しを中心に~』共著、敬文堂、2016年
・『自治体の公共政策』 単著、学陽書房、2013年
・『「地域主権」改革~第3次一括法までの全容と自治体の対応』 単著、学陽書房、2012年
・「指定管理者制度と政策評価~神奈川県立都市公園を例にして」『自治研究(第85巻第11号)』単著、第一法規、2009年
・『公共用地買収の制度と技術~政策執行過程における説明責任の視角から~(東京大学都市行政研究会研究叢書18)』単著、東京大学都市行政研究会、1999年   

◆◆◆◆◆ その他 研究内容・学生へのメッセージ ◆◆◆◆◆

【問題関心】
私は、学部時代は行政法ゼミに参加し、行政法判例の研究を中心に解釈法学を学んできました。神奈川県職員になり、これまで学んできた解釈法学に加え、政策の立案・執行・評価といった一連の政策過程に関心を持つようになり、大学院では行政学を専攻し、主に政策の執行過程研究を中心に行いました。政策を現実にあてはめて適用する執行過程の段階では、政策の立案段階では予想することができない様々な課題が生じ、その課題に対して対策を講じて、政策の目的を実現していくことになります。こういった政策執行過程研究として、実際の公共用地買収の経験を踏まえて『公共用地買収の制度と技術~政策執行過程における説明責任の視角から~』(単著:東京大学都市行政研究会研究叢書18、1999年)を執筆しました。
 また、官から民への規制改革の中で、都市公園の指定管理業務を経験し、政策評価の重要性を強調した「指定管理者制度と政策評価~神奈川県立都市公園を例にして~」『自治研究(第85巻第11号)』(第一法規、2009年)を執筆し、日本公共政策学会で学会賞(論説賞)を受賞しました。この2本の論文を含め、政策過程に関して過去に執筆した論文のエッセンスをまとめた『自治体の公共政策』(単著:学陽書房、2013年)を出版しました。
 さらに、公益財団法人地方自治総合研究所の常任研究員として、地方自治制度改革の研究を中心に行い、これまでの分権改革の経過を分析しながら、研究の成果の一部を『「地域主権」改革~第3次一括法までの全容と自治体の対応』(単著:学陽書房、2012年)にまとめました。
 国から地方へという地方分権改革、官から民への規制改革、市場経済の構造改革など、国が主導する制度改革に対して自治体の現場がどのように動いていくのか、先行研究を十分に把握した上で、自治体の現場を調査し、学会・研究会などで研究者・実務家との交流を通じながら、理論と実践の研究を行っていきたいと思います。

【現在の研究テーマ】
戦後数十年、わが国は、人口増加、経済成長という右肩上がりの状況で成長してきたが、今後は、人口減少、経済縮小という右肩下がりの時代が続くことになる。誰もが経験したことがないシュリンクする時代の中で、道路、公園、上下水道、教育施設、社会福祉施設などの身近な公共施設は老朽化するとともに、空き家、空き用地、空きビルは噴出し、後継者不足に起因する耕作放棄地はますます顕在化することが予想される。
こうした状況を踏まえ、国が「まち・ひと・しごと創生法」を制定し、地方創生政策を推進していることを受けて、自治体は、地方版総合戦略を作成し、地域活性化に向けて取り組んでいる。一方で、自治体は、公共施設をこれまで通り維持更新するために、公共施設等管理計画を作成し取り組んでいるが、公共施設の維持更新にあたっては、自治体財政を大きく圧迫する可能性は極めて高い。また、高齢化に伴う社会保障経費が増加する傾向にあることから、財政危機に陥る自治体が出てきても不思議はない状況にある。
人口減少・経済縮小の中で、自治体の現場はどのように動いているのか、状況把握に努め、現場を重視した研究を行っていきたい。

【学生へのメッセージ】
大学での学生生活は、人生の中でも比較的に自由に時間を使うことができる期間です。様々なことに関心を持って、何事にも積極的に果敢にチャレンジし、多くの経験を重ねてください。就職活動はもちろん、今後の人生にきっと役立つはずです。4年間という期間は、長いようでそれほど長くありません。思い立ったらすぐに行動することが大切です。迷わずにとにかく一歩前に進み出してみましょう。