白鴎大学 HAKUOH UNIVERSITY

法学部

教員紹介詳細

教員氏名 藤井 亮二(フジイ リョウジ)
職名 教授
最終学歴・学位 専修大学大学院経済学研究科・経済学修士
専門分野 財政学、財政政策、地方財政、予算制度
学協会活動 日本財政学会、日本行政学会、日本公共政策学会、日本地方自治学会、日本法政学会、日本財政法学会
【主な著書・論文等】
[論文]
「労働保険特別会計雇用勘定の積立金の取崩しの課題」(2011.10)『専修大学社会科学研究所月報』No.580
「予算における国債費見積りの課題」(2012.3)『社会科学年報』第46号、専修大学社会科学研究所
「外国為替資金特別会計剰余金の発生と一般会計繰入」(2014.9)『経済のプリズム』第129号、参議院事務局企画調整室(調査情報担当室)
「基金制度の沿革と課題(1)社会保障政策として始まった基金制度」(2015.7)『立法と調査』第366号、参議院常任委員会・特別調査室
「基金制度の沿革と課題(2)基金が多用された3つの時期」(2015.8)『立法と調査』第367号、参議院常任委員会・特別調査室
「国庫補助金等により造成された基金の特徴と課題」(2016.2)『専修大学社会科学研究所月報』No.632
「70年を迎えた「財政法」制定過程と国会での議論」(2018.2)『経済のプリズム』第165号、参議院事務局企画調整室(調査情報担当室)
「新しい方向性を探る財政投融資制度」(2018.11)『専修大学社会科学研究所月報』No.665
「予算編成過程における「概算要求基準」~実効性が弱まるシーリング効果~」(2019.8)『経済のプリズム』第179号、参議院事務局企画調整室(調査情報担当室)
「歳出の複数年度歳出化が進む予算:増える継続費、国庫債務負担行為」(2019.11)『経済のプリズム』第181号、参議院事務局企画調整室(調査情報担当室)
「国庫債務負担行為の現状及び後年度への財政影響」(2020.3)『社会科学年報』第54号、専修大学社会科学研究所
「なぜコロナ対策特別会計の動きが広まらないのかー東日本大震災復興特別会計との違いー」(2021.6)『経済のプリズム』第199号、参議院事務局企画調整室(調査情報担当室)
「拡大する基金への予算措置と補正予算~令和2年度補正予算による予算措置」(2021.10)『経済のプリズム』第205号、参議院事務局企画調整室
「補正予算において常態化する大型基金の設置~令和3年度補正予算による予算措置~」(2022.1)『経済のプリズム』第208号、参議院事務局企画調整室
「財政政策の転換となる2023年度予算」『白鴎大学論集』第37号第2号(2023.3)
「補正予算に計上される多額の基金予算」『白鴎法学』第30巻第1号(2023.7)

[著書]
『図説 経済財政データブック平成19年度版』(共著)(2007.9)学陽書房
『非営利組織会計の基礎知識』(共著)(2023.10)白桃書房

[その他]
「予算における国債費見積りの課題」(単独)(2010)第67回日本財政学会報告
「労働保険特別会計雇用勘定の積立金の取崩しの課題」(単独)(2011)第68回日本財政学会報告
「基金制度の沿革と課題」(単独)(2015)第72回日本財政学会報告
「新しい方向性を探る財政投融資制度」(単独)(2018)第75回日本財政学会報告
「国庫債務負担行為の現状及び後年度への財政影響」(共同)(2019)第76回日本財政学会報告
「基金の現状と増加する政治経済的要因の分析-令和2年度(2020年度)補正予算の対応を中心に-」(単独)(2021)第78回日本財政学会報告
「コロナ禍で増大する予備費の計上」(2022)日本財政法学会第41回研究大会


◆◆◆◆◆ その他 研究内容・学生へのメッセージ ◆◆◆◆◆

【問題関心】
 参議院で本会議や委員会の運営に携わるとともに、参議院予算委員会調査室に長く所属して、議会の視点から財政・経済政策を調査・分析してきました。
 財政制度及び財政政策については、財政学や行政学、政治学にまたがる幅広い学問的見地から学び、考えていく必要があると考えています。制度を学んで理解していても、現実の政策決定や諸々の政治力学の過程においていかに解釈され、運用されているかを見据えないと、机上の空論となってしまいます。
 財政制度や予算制度が本来持つ意義、制度趣旨を明らかにし、実際の財政政策や政策形成の場でどのように判断され、運用されているのかを、統計データなどに現れてくる客観的な計数や国会答弁から示される政府の有権解釈などで裏付けながら、これからの財政政策はどうあるべきかについて検討・考察し分析していきたいと思っています。
 国会の現場に身を置き、予算委員会という予算審議の最前線で得られた知見はかけがえのないものだと思っています。この知識と経験を活かして理論と実務の両面からの研究を行い、財政民主主義を確立するために貢献していきたいと考えています。

【現在の研究テーマ】
 バブル景気崩壊から30年が経過してもなお、我が国の経済再生は見えてきません。長引く不況の中でいかにして経済成長を目指すのか、更には1970年代からほぼ半世紀にわたる課題とされてきた財政再建をどのようにして実現するのか、政治や行政の関係者だけではなく、経済・市場の関係者をはじめ国民全体が試行錯誤を繰り返してきました。
 財政破綻を回避して財政を再建する、そして財政を健全化する。そのための重要な課題が予算編成過程です。コロナ禍の中で予算編成の在り方が大きく変わりつつあります。経済対策の内容、補正予算や予備費のあり方、基金や特別会計の運用などです。
 一時は多くの研究者の研究対象とされた財政投融資(財投)制度や特別会計もそれぞれの改革を経て、ほとんど注目を集めなくなりました。しかし、コロナ禍で財投の役割が見直され、特別会計の積立金を巡る問題も出てきました。古くて新しい研究課題である財投や特別会計、基金制度や官民ファンドなど見えづらい財政制度・予算制度が抱える問題について、時流に流されないで研究を深めたいと思っています。

【学生へのメッセージ】
 英国・ケンブリッジ大学にアルフレッド・マーシャル(1842生-1924没)という著名な経済学者がいました。経済学の発展に多大な貢献をした学者です。1885年の教授就任演説の締めくくりに使われた一節がよく知られています。「冷静な頭脳と温かい心」(Cool Head but Warm Heart)という言葉です。経済学者の理想の姿勢と言われます。さまざまな政治・社会問題に取り組むにあたっても必要な心がけだと思います。
 学生のみなさんの将来には無限の可能性と無数の選択肢が広がっています。いろいろなことに果敢にチャレンジしてください。心の中では熱い情熱と炎を燃えさせながらも、常に冷静な頭で問題や課題に立ち向かってください。
 財政学、あるいは財政政策は社会保障から教育、防衛、公共事業、税制などを対象とする幅広い学問です。生半可な気持ちと姿勢ではとらえどころのないままに終わってしまうでしょう。熱い心をもって取り組んで欲しいと思います。
 「冷静な頭脳と温かい心」を持って、社会をよくするためにはどうすればいいのだろうか、何が最適な解なのだろうかと常に問い続けてください。そのための財政はどうあるべきかを考えてください。答えは一つではありません。みなさんの育ってきた環境やこれまで学んできたこと、多くの先生や友人との交流の中で得られた価値観、経験が解法に導いてくれます。大学での学問は自らが答えを導き出すのです。「財政学」及び「財政政策」というフレームを通して一緒に考え、悩み、学んでいきたいと思います。