白鴎大学 HAKUOH UNIVERSITY

法学部

教員紹介詳細

教員氏名 川上 生馬(カワカミ イクマ)
職名 准教授
最終学歴・学位 関西学院大学大学院法学研究科博士課程後期課程修了 博士(法学)
専門分野 民法(消滅時効、フランス民法)
学協会活動 日本私法学会、比較法学会、日仏法学会、末川民事法研究会、関西フランス法研究会
【主な著書・論文等】
〈著書〉
〇小川富之・矢島秀和編『Next ロードマップ民法入門』(2022年、一学舎)
第2章「桜ちゃんのために―未成年者のための契約」、第6章「お客さんから店員さん、そして会社員へ」(分担部分は単著)

〈論説〉
〇「時効期間の合意による変更 : 2008年フランス時効法改正以前の議論を中心に」法と政治67巻4号 905-971頁(2017年)
〇「新フランス時効法における時効期間の合意による変更―フランス法の現状と問題点の分析-」法と政治69巻2号Ⅱ 1057-1099頁(2018年)
〇「当事者間で合意された期間の性質―消滅時効期間(délai de prescription extinctive)と訴権消滅期間(délai de forclusion)―」法と政治70巻4号 1119-1150頁(2020年)
〇「消滅時効制度における公序と私的自治の関係 ―フランスにおける時効期間の合意変更の枠組みを手掛かりに― 」博士学位論文(関西学院大学)1-113頁(2020年)査読有
〇「消滅時効期間の合意による変更の判断要素に関する一考察 」法と政治71巻1号 307-365頁(2020年)
〇「承認による時効の更新に関する一考察―最高裁第三小法廷令和2年12月15日判決の批判的考察を通して―」白鴎法学30巻1号1-38頁(2023年)

〈判例評釈〉
〇「判例研究 民法508条に基づく相殺と消滅時効制度 : 最高裁第一小法廷平成27年12月14日判決〔民集69巻8号2295頁〕(不当利得返還請求本訴,貸金請求反訴事件)」法と政治68巻4号 939-964頁(2018年)
〇「NHK受信料債権の消滅時効の起算点―判決による受信契約締結の場面について――最高裁大法廷平成29年12月6日判決民集71巻10号1817頁―― 」三重法経152号 31-48頁(2019年)査読有
〇「基本権たるNHK受信料債権の時効消滅の可否-最高裁第三小法廷平成30年7月17日判決民集72巻3号297頁-」白鴎大学法政策研究所年報15号119-130頁(2023年)

〈その他〉
〇「時効期間の合意による変更―フランス時効法からみる消滅時効制度の現代的意義」比較法研究80号 295-298頁(2018年)
〇川上生馬・矢島秀和・城内明・松久和彦「2021年判例回顧と展望(民法)」法律時報94巻7号70-107頁(うち、はじめに、Ⅰ民法総則、Ⅱ物権 70-79頁を執筆。執筆部分は単著)(2022年)
〇川上生馬・矢島秀和・吉村顕真・松久和彦「2022年判例回顧と展望(民法)」法律時報95巻7号74-112頁(うち、はじめに、Ⅰ民法総則、Ⅱ物権 74-83頁を執筆。執筆部分は単著)(2023年)

◆◆◆◆◆ その他 研究内容・学生へのメッセージ ◆◆◆◆◆

【問題関心】
私が研究している消滅時効制度は、公益または公序のための制度であると紹介されることが多くあります。そして、その存在理由としては、「永続した事実状態の尊重」、「立証困難の救済」、「権利の上に眠るものは保護に値しない」が挙げられています。他方で、契約当事者が合意(主に約款)により、消滅時効期間を合意により変更することが認められるともされていますが、上記存在理由との関係性はこれまで十分には明らかにされてきていません。これらを明らかにしなければ、いかなる場合にいかなる範囲での合意が認められるのかが定かとはなりません。消滅時効制度は紛争が起こった際に当該紛争を解決するための制度でもあります。同制度が紛争を引き起こす種となってはいけないため、合意の限界を探る研究をしています。
また、近時はNHK受信料債権と消滅時効の問題等についても関心を持っています。

【現在の研究テーマ】
消滅時効制度
フランス消滅時効法
NHK受信料債権と消滅時効
時効期間の合意による変更
時効期間の合意による変更と第三者-債権譲渡の場面を中心に-
保険法をはじめとする特別法上の消滅時効制度

【学生へのメッセージ】
民法は非常に身近な法律であるとよく言われます。皆さんがこれまで生活してきた中ではそこまで意識されなかったかもしれませんが、学んでから考え直すと、実は民法に囲まれていたんだと実感されると思います。
民法は範囲も広く複雑ではありますが、分かり始めると非常に面白い分野です。私自身も楽しみながら講義を行いますので、皆さんにも同じく楽しんでいただければと思います。
民法を学んでよかった、川上の講義を受けて良かったと皆さんに思っていただけるような講義を展開していきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。