白鴎大学 HAKUOH UNIVERSITY

経営学部

教員紹介詳細

教員氏名 川上 高志(カワカミ タカシ)
職名 教授
最終学歴・学位 東京大学法学部Ⅱ類(公法学科)卒、法学士
専門分野 日本政治、憲法、外交・安全保障、メディア論
学協会活動 日本政治学会
【主な著書・論文等】
▽単著
「検証・政治改革~なぜ劣化を招いたのか」(岩波新書)
▽論文
 「政治改革と菅政権の構造的問題点」(白鷗法学 第28巻1号 通巻 第57号)
▽出版物
「憲法と生きた戦後~施行70年」(新聞通信調査会)
▽共同通信社企画
「憲法のいま~公布70年」
「平和考」(大型インタビュー企画)
▽そのほか、論説、評論、コラムなど配信記事多数


◆◆◆◆◆ その他 研究内容・学生へのメッセージ ◆◆◆◆◆

【問題関心】
 共同通信社の記者として40年以上の取材経験を持ち、特に30年以上、政治担当の記者、論説委員、特別編集委員として日本政治の現場を取材し、記事、論説・評論、コラムなどの執筆活動を行ってきました。現在も共同通信社論説委員で、日本記者クラブの企画委員も務めています。
 現在の日本政治は、急速に進む少子高齢化に伴う社会保障費の増大、財政赤字、過疎化などの国内課題と、東西冷戦終結後の国際秩序の不安定化、地域紛争、グローバル時代の人・モノ・資金・情報の国境を越えた移動に伴う摩擦の発生と社会の分断化という国際的な課題に直面しています。それに伴い、民主主義の後退、統治構造の劣化が指摘されます。
 その状況下で起きたのが新型コロナウイルス感染症のパンデミックでした。さらに、地球温暖化など将来世代に関わる問題もあり、まさに歴史的に重要な転換点に立っていると言えます。
 いずれの課題も学生の皆さんが社会の中核となり、これから向き合っていかなければならない課題です。
 これらの課題について現場の取材を基に解説するとともに、その問題の本質は何かを考察し、30年後の2055年前後の社会を描いて、どう取り組んでいくべきかを一緒に考えていきたいと思います。
 現在の課題を考える際には、フランスの画家ゴーギャンが描いた絵画「私たちはどこから来たのか、私たちは何者か、私たちはどこへ行くのか」という視点が重要です。今の時代に起きている表面的な現象だけを見るのではなく、縦軸(歴史的な視点)と横軸(国際的な展開)を交差させながら、問題を考えるということです。
 日本政治の場合は1945年の第2次大戦での敗戦後に政治・統治構造の基盤が作られました。歴史的な経緯を知るとともに、国際的な動きも見渡しながら転換期の課題を解説し、一緒に考えていきます。
 また長年の記者としての経験を踏まえ、マスメディア、ジャーナリズムの役割と課題を解説し、同時に記事の執筆を通じて、他者に伝える表現力を養う指導を行います。

【現在の研究テーマ】
1.現代日本の政治=政局、選挙を巡る動き
1.民主主義と統治機構=民主主義の在り方、統治機構(国会と行政)、選挙制度
1.憲法=国家の基盤である憲法の意義と改正の議論
1.国際情勢=東西冷戦終結後の不安定化する国際情勢
1.日本外交=日米の同盟関係、北方領土返還を巡る日ロ交渉、日中・日韓の近隣外交、北朝鮮情勢など
1.安全保障=安全保障政策の歴史と課題、安全保障政策の在り方
1.メディア=インターネット時代のマスメディアの役割と課題。その中でも、特にジャーナリズムの役割について。SNSなどのソーシャルメディアが社会・政治に与える影響と問題点。ソーシャルメディアに向き合うメディアリテラシー

【学生へのメッセージ】
 将来、社会に出て、どんな職業に就こうとも、どんな人生を送ろうとも、学生の間に今起きている課題の本質的なポイントを知り、深く考える経験は必ず役に立ちます。資格取得などに直接関わる講義ではありませんが、これからの社会の中核となる学生の皆さんが社会構造の基礎を学び、自分たちの課題として考えることは、社会人としての一番大切な基礎となります。
 現代の日本社会と国際的な課題の根本は何かを知り、自分で考える機会を作ってください。私も一緒に考えいきたいと思います。