教員氏名 | 嶋中 雄二(シマナカ ユウジ) |
職名 | 教授 |
最終学歴・学位 | 早稲田大学大学院経済学研究科修士課程修了(経済学修士・応用経済学専攻) |
専門分野 | 修士は経済政策で取得しているが、専門は景気循環論。特に、日本経済における短期・中期・長期・超長期の循環の複合的把握が専門。 |
学協会活動 | 景気循環学会副会長。日本経済政策学会理事。日仏経済学会会員。The Mont Pelerin Society会員。 |
【主な著書・論文等】 |
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『第3の超景気』日本経済新聞出版社、2018年(単著)
『これから日本は4つの景気循環がすべて重なる。』東洋経済新報社、2013年(単著) 『ゴールデン・サイクル』東洋経済新報社、2006年(単著) 『日本の景気』角川書店、2004年(単著) 『日本経済の油断』東洋経済新報社、2000年(単著) 『メジャー・サイクル』東洋経済新報社、1996年(単著) 『複合循環』東洋経済新報社、1995年(単著) 『繁栄は繰り返す』PHP研究所、1994年(単著) 『「転型期」の日本経済』講談社、1992年(単著) 『景気の転換点を読む』同友館、1989年(単著) 『太陽活動と景気』日本経済新聞社、1987年(単著) 『2050年の経済覇権』日本経済新聞出版社、2019年(共編著) 『実践・景気予測入門』東洋経済新報社、2003年(共著) 『太陽が変わる景気が動く』同友館、1989年(共編著) 『89年・世界同時不況』日本経済新聞社、1988年(共編著) 『ハイエク全集Ⅰ』春秋社、1988年(共訳) その他、共著・論文は多数ある。 ◆◆◆◆◆ その他 研究内容・学生へのメッセージ ◆◆◆◆◆ 【問題関心】 戦後の日本経済には、驚くほど規則的なリズムがいくつかある。特に厳格なのは、私が「拡張・優劣の法則」と命名した中期的な規則性だ。すなわち、政府の公式景気基準日付に基づく景気拡張期間比率(四半期ベースで見た、全期間に占める景気拡張期間の割合)の9.5年周期である。1951年度以降、一度の例外もなく、4.75年(19四半期)間隔で、景気拡張期が相対的に多い「拡張優勢期」と相対的に少ない「拡張劣勢期」とが、すでに7回も交互に繰り返しているという、この事実は重いと感じられる。ちょうど2022年7-9月期からとなっている、戦後8回目の拡張優勢期の4.75年が果たして到来するのか否か、先行きが問われる。中期の景気循環、つまりジュグラー・サイクルの問題としても、景気予測の問題としても、非常に興味深く、継続的に研究を行っている。 【現在の研究テーマ】 1885年から2022年に至る、明治から令和にかけての日本の長期循環(1周期25年強のクズネッツ・サイクル)の軌跡を追い、長期循環から見た日本経済史を研究して、本に纏めたいと考えている。内容としては、まず企業の勃興から日露戦争前夜までの「近代化クズネッツ」(1886~1903年)、日露戦争から昭和恐慌までの「強国クズネッツ」(1904~1930年)、満州事変から朝鮮戦争までの「敗戦・復興クズネッツ」(1931~1950年)、サンフランシスコ講和条約から第2次石油危機までの「成長・資源クズネッツ」(1951~1980年)、世界同時不況から東日本大震災までの「バブルと危機のクズネッツ」(1981~2011年)、アベノミクス以降、大阪・関西万博、リニア中央新幹線へと向かう「復活と混迷のクズネッツ」(2012年以降)を、歴史の流れの中で分析したいと思う。 【学生へのメッセージ】 私は、銀行・シンクタンク・証券会社のリサーチ部門に40年以上所属して、日本を中心に内外の景気循環を研究し、景気予測を実施し、金融政策についてもメディア等を通じて意見を数多く述べてきた。そうした実務経験を生かして、学生諸君には、私が参加した様々な景気論争や金融政策論争にまつわる成功体験や失敗談を話したいと思っている。また、私は日本の景気循環研究の一大拠点である景気循環学会の副会長を務める傍ら、政府の公式景気基準日付を設定する景気動向指数研究会の委員も務めているので、授業を通じて、景気循環についての様々な理論に加え、景気の転換点(山・谷)をどのように設定するのかなど、多少テクニカルな話もしたいと思う。そして何よりも、長い年月の間に自身が考案した、もしくは改良したいくつかのアイディア(設備投資の再投資循環論、円レート加速度論、新太陽黒点説、名目GDP目標論、拡張・優劣の法則、短期・中期・長期・超長期の景気循環のゴールデン・サイクル論等)を材料に、諸君と大いに議論し、是非とも一緒に、先行きの予測に役立ち、かつ、これからの時代にも相応しい、新しい事実を発見し、また新たな概念を創造していきたいと思う。 |