白鴎大学 HAKUOH UNIVERSITY

経営学部

海外留学プログラム

異文化体験報告書

2016経営学部海外留学プログラム 
University of Victoria 私の異文化体験

〜三か月で学んだカナダと日本の違い〜

大槻 真由

私は、この三か月間カナダで生活することで多くの日本との違いを肌で感じた。それは人々の性格的なものから食生活など様々な面にわたり、その全てが私に驚きと発見を与えてくれた。中でも日本とのギャップが大きく、私の中で深く考察してみたいと思った項目について書きたいと思う。

先ず1点目に、性別や職業、国籍に関わらず全ての人がフェアであるということだ。大学の最初の授業内で私のクラスを受け持った先生に「この国では全ての人がフェアである」と聞かせてもらった。知っての通り、カナダはあらゆる国籍の人が共に暮らしている多民族国家である。街中を歩 けばアジア系、ヨーロッパ系などたくさんの肌の違う人々が見受けられる。そんな中で人々が異文化を身近に感じながらも円滑に過ごせるのは、その国の国風のためである。先ず、男性の男女平等 に対する意識がとても強い。それをとても感じることが出来たのは、私のホストファミリーが当にその良い例であったからである。私のホストファミリーは共働きでどちらも日中は家にいない。だがホストマザーのほうが遅くまで仕事をして帰ってくる。そのため食事はファザーが週五回の割合で夕飯を作り、平日は家事全般も彼が担当していた。カナダではこのケースが珍しくない。実際私の周りでも、夫が積極的に家事に携わり、子供の面倒も率先的にみる、というケースのホストを持つ友人が多く見られた。私はその環境にとても驚いたため、ホストマザーと話している中で、日本では典型的な男女の役割が今でも根強く残っていることを伝えた。マザーは私にカナダでも数年前までは同じようであったが、最近では女性も幅広く職を選べるようになりその固定概念はなくなりつつあると熱心に話してくれた。日本で考えると、女性が男性と同じ土俵で仕事をすることは可能ではあるが社会の仕組み上とても難しく、それを変えることもそう簡単ではない。しかし、この風潮が日本にも同じようにあったらどんなに良いだろうとか思った。

また、男女差別に限らず異文化に対してもとても寛容であり、それはカナダ人だけではなく、そこに住む多くのカナダ人以外の人々にも当てはまることである。そこには日本では感じることの出来ない居心地の良さ、快適さがあった。私のクラスにはシリアから移住してきた女性がおり、彼女 は三人の子供を持ちながら大学に通っていた。彼女は、「私には宗教上の制約が多くあるけれど、ここでの生活は異文化に対しても、宗教に対しても理解がありとても住みやすい」と話してくれた。私も暮らしながら上手く英語が喋れないであるとか、日本人であるということで差別的な扱いをさ れたことは無かった。普通に過ごしてしまっていたが、これはとてもすごいことであったと思う。日本では、もちろんその人の考え方にもよるが、外国人や異文化に対し少なからず壁を持つ人が多 いだろう。日本にもビクトリアの様な観光の名所は幾つもあり、外国人観光客に地域の活性化を期待する地域は多くある。より異文化理解を深めることがそんな地域には不可欠であり、集客率に直結させることの出来る策だと私は考える。

カナダ人に限った事ではなくカナダに住む人々は、会う人全てに尊敬の気持ちをもっている。人々が親切なのはもちろんビクトリアは観光地であることにも起因する部分もあるだろう。しかし、その国民性は、人種や性別に関係なく誰にでも親切に手を差し伸べることの出来る風潮が作り出しているものであると感じた。

今回実際にカナダの地で生活することで、紙の資料を見ただけでは知りえない本当に多くのことを学ことが出来た。それらは私がこれからの道を考えていくうえでとても良い刺激になり、今までの価値観を大きく変えてくれた。下の写真は最後のディナーでクラスメイト達と撮ったものだ。私は、クラスメイトや先生はもちろん、この期間内に関わってくれた全ての人や環境に感謝しこれからの生活にこの経験を活かしていこうと思う。