2025年1月16日、法学部の平山真理教授の専門ゼミナール(刑事訴訟法)の学生による公開研究発表会が実施されました。法学部4年生の神山美海さんは「DV加害者の更生―いつもどこかで起こっている身近な“DV問題”」、法学部3年生の菱沼美桜さんは「LGBTの権利と法―歴史と今を学び未来を守る―」というテーマで、これまでの勉強の成果を発表しました。
スペシャルゲストとして、秋葉丈志先生(早稲田大学国際教養学部准教授・同大学ステューデントダイバシティセンター長)と安西敦先生(京都弁護士会弁護士・臨床心理士)から、学生の報告に対しコメントを頂きました。
秋葉先生からは、菱沼さんの報告に対して、わが国における同性婚訴訟をめぐる議論についても勉強を深めた方がいいこと、また、多様な性自認を持つ学生に対して大学等の教育現場はどのようなサポートをしていくべきかについても考えてほしいとコメントを頂きました。
また、安西先生からは、神山さんの報告に対して、DV加害者に対する更生プログラムを充実させるという視点だけでなく、その手続の適正さや、治療・更生プログラムを受ける人の権利を尊重する視点も重要であることについてコメントを頂きました。パワーポイントを入念に準備して報告した菱沼 美桜さん(法学部3年生)
コメンテーターからのコメントに対するレスポンスにも熱が入ります。
ゼミ公開研究発表会は、本キャンパス8Fラーニングコモンズにおいて行われ、ゼミ以外の学生や学外の方も参加しました。
コメンテーターの秋葉 丈志先生。
「マイノリティの権利と法」の研究がご専門の立場から、菱沼さんの報告に丁寧なコメントをしてくださいました。
DV加害者の更生について報告する神山 美海さん(法学部4年生)
会場からの様々な質問にも自分の考えをはっきりと伝えます
安西 敦先生は京都からオンラインで参加。
弁護士だけでなく臨床心理士の資格も持つ立場から、加害者更生プログラムの光と影の部分について詳細なコメントをくださいました。
平山 真理教授(法学部)からのコメント
今年度の学生の報告はどちらも、ジェンダーに関連するテーマとなりました。テーマ選びから資料の検索と収集、議論の立て方、さらにはプレゼンテーションの工夫等、準備する過程で二人とも多くを学んだと思います。これからも様々なテーマに関心を持って自分独自の視点で考えることを続けてほしいです。
神山美海さんのコメント
私は今回、DV(ドメスティック・バイオレンス)について研究しました。DV加害者に焦点を置き、加害者の更生プログラムの内容や更生をめぐる現状と課題、DVの病気認定の可否について自分の意見を提示しながら資料を作り、論点の考察を実施しました。先生やゼミの仲間からアドバイスをもらいながら、自分らしい研究発表ができたと思います。なにか1つのものを深く掘り下げることで得られる新しい発見を報告するという貴重な体験ができました。
菱沼美桜さんのコメント
研究するだけではなく、発表することで、自分自身の研究テーマへの理解をより深めることができました。また、コメンテーターの先生方と意見交換ができたことで、視野が広がりました。