白鴎大学 HAKUOH UNIVERSITY

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「ソーシャルデザイン論」を受講する本学生が結城市に企画提案

2024/03/28

 小笠原伸教授(経営学部)が担当する「ソーシャルデザイン論」に結城市関係者を招き、受講する学生たちが「結城紬着付けサービスのWeb化」「夜景の活用」「地域への愛着を深める場づくり」などのテーマで企画提案を昨年12月に行いました。発表後には市担当者から「今後の施策に活かせるように検討したい」などの温かい講評や助言をいただき、学生たちはさらに学びを深めることができました。


渡邉利奈さん(法学部4年)のコメント

 大変実りの多い時間でした。実際に結城の街を歩いてみて、蔵や結城紬など、観光資源があるのに活かしきれていないと感じ、「既にあるものを活かすという視点で実現性のある提案を」との助言を頂いたことで、着心地体験の改善と街灯の工夫の案に至りました。

 当初は宣伝の少なさが課題だと考えていましたが、そもそも街が観光向けの構造ではないので人をあまり取り込めないことに気がつきました。これは地方都市全体の課題でもあると考え、観光資源を抱えていても、様々な制約により街を観光向けに整備することができず、結果活かしきれていない自治体は珍しくないのではないかと思い、それ故に「既にあるものを活かす」という視点は重要だと改めて感じました。

 提案発表では、人によって視点は異なるのだと当然のことに再度気づかされました。私は着心地体験の改善を提案しましたが、大変光栄なことに、我々の世代からの意見は新鮮でありこのまま持ち帰って検討するとのお言葉を結城市役所の方から頂きました。考えが甘い提案だと自認していたので想定外のことではありましたが、年代が異なれば流行や常識も異なり、些細な疑問や感想でも口にしてみるべきかもしれないと自信に繋がりました。

 そして何より、大学ならではの取り組みに参加できてとても身になりました。スライド作成や発表はもちろん、問題に取り組む姿勢を学べて、精神的に向上できたように感じる。このような経験の場を与えてくださったことに感謝しています。


髙橋光太郎さん(経営学部3年)のコメント

 結城市でまち歩きをしてみて、特に印象に残っているのは「登録有形文化財が多い」という点です。まちの至る所に文化財を証明するプレートが設置されており、歴史的価値のある地域であることを実感しました。しかし、そういった魅力のある地域であるにも関わらず、看板やのぼりの少なさなどから「観光客をあまり意識していないのではないだろうか」と感じられたため、私たちの班では「地元住民の意識」に焦点を当てて改善提案を考えることにしました。

 提案を考えるにあたって最も意識したことは、「私たち大学生の力でも実現可能性のある提案をする」ということです。地元の人の地域への愛着を深めるために私たちにできることとして発案された提案が「自由に書き込める掲示板」でした。私ではないメンバーのアイデアから発想を広げた提案でしたが、実現可能性の面でも地域の人の体験という面でも的確なアイデアであったため、私自身もとても面白いと感じ自信を持って発表することができました。

 提案に対して行政の方からフィードバックをいただき、自身を持って行った提案にたいしてご好評をいただけたことが嬉しかったです。また、私たちの気づきが行政の方の気づきにつながった点でとても有意義な体験をすることができたと感じました。ご指導いただいた小笠原先生や発表会に足を運んでいただいた結城市の皆様をはじめとする、ご協力いただいたすべての皆様に感謝申し上げます。


小笠原教授コメント

 学生が社会課題に気づき社会との関係を持ちながら解決に向けてゆく「ソーシャルデザイン論」授業では今年度も結城市役所のご支援をいただき提案を行わせてもらいました。「きものdayゆうき」開催中の結城市内を学生と歩き地域の魅力とともに学生の感じる様々な課題と可能性をどのように次の段階に進められるか、学生によっては何度も結城市に通いその問題点に迫りました。発表の際にはお忙しい中を結城市役所とTMO結城から3名のご参加をいただき、学生へ向け貴重なご感想をいただきました。講評の中では、現実を動かしてゆくことの難しさ、その中で市役所の皆さんが努力を重ね結城市の未来を見つめていることが学生にもよく伝わったものと思います、改めて感謝申し上げます。

 人口減や若者の流出など現在の地方創生は容易に実現できるものではありませんが、白鴎大学でのこれらの取組みが学生の地域への理解を深め自治体が大学との連携を強める一助となれば授業を担当する教員としては喜びであり、今後も同様の取組みを続けてゆきたいと考えています。


市担当者の質問に答える髙橋さん(右側)


着付けサービスの改善案の発表


市担当者と記念撮影

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