白鴎大学 HAKUOH UNIVERSITY

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岩﨑ゼミが佐野市に「中心市街地、中山間地域の空き家の利活用」について提案

2024/02/13

 自治体行政を研究する岩﨑ゼミ(法学部)が2月3日(土)、佐野市長に「中心市街地、中山間地域の空き家の利活用」についてのプレゼンテーションを行い、「DIY予備校」、「クリケットを広めよう~宿泊施設×自然~」など4グループで7つの提案をしました。


岩﨑 忠教授(法学部)コメント

 岩﨑ゼミの佐野市へのプレゼンテーションは、私の前任校である高崎経済大学のゼミ生が、佐野市のキャッチコピーを提案し、採用していただいたことに始まります。それ以降、毎年ゼミ生が市の事業に参加させていただき、市長にプレゼンテーションを行ってきました。小さな拠点づくり(廃校施設の利活用)、ラーメン予備校の自走化、古民家再生といったプロジェクトに参加してきました。

 本学においても佐野市との交流を継続させていただき、今年度は、「中心市街地・中山間地域の空き家の利活用」事業に参加しました。前期は、学内での専門書の輪読を通じて「空き家問題の現状と課題」について全員で意見交換し、知識を吸収することに専念しました。夏休みには、佐野市の中心市街地・中山間地域の現地調査を行い、調査後に学生全員が質問事項を市に提出し、市から回答をいただきました。後期は、具体的な提案に向けて、4つのグループに分かれて意見交換を行い、11月に中間発表、1月には学内の最終発表、そして、2月の市長へのプレゼンテーションに進みました。

 提案にあたっては、RESAS(地域経済分析システム)、帝国データバンクなど民間調査・研究機関が収集した全国データだけでなく、佐野市が独自に実施したアンケート調査、市民から寄せられた意見に対する市の回答など佐野市独自の地域データをもとに、佐野市の強み・弱みを打ち出し、先行事例等を参考に、エビデンスに基づく具体的な7つの提案(EBPM:Evidence Based Policy Making)を行いました。

 こうした岩﨑ゼミと自治体との交流は、学生にとって机上の学問だけでなく、実践的な現場を学ぶ機会となっており、教育、研究にとって重要な場と考え、今後、さらに発展させていきたいと思います。


森嶋 雛子さん(法学部3年)コメント

 私たちのグループでは、「空き家」と同じく人口減少に伴い課題になる「後継者不足・人手不足」と関連付けて、自分のことはできるだけ自分で行うための「DIY(DO IT YOURSELF)予備校」を提案しました。

 提案作成にあたり、佐野市の特徴はもちろん、住民アンケートや事前調査で伺った地元の人々や企業の方々のお話など様々な視点から情報を集め、空き家数の減少と空き家の利活用を地域全体の活性化の一つの手段として提案できるようにグループのメンバー4人で協力として取り組みました。特に、財源やリピーター確保については、実現可能な提案になるようグループで何度も話し合い、先生のアドバイスもあり、より具体的な提案になったと思います。

 「空き家」を一つの課題として捉えるだけでなく、様々な課題と結び付けて考えることが重要だと学びました。 


斉藤 太一さん(法学部3年)コメント

 私たちのグループでは、国際クリケット場のある佐野市の特徴を活かして、空き家を宿泊施設に活用することで、そこで行う体験型イベントに気軽に参加でき、それを通じて健康づくりにもつながり、更には、クリケットの認知度も拡大することを目的に「クリケットを広めよう~宿泊施設×自然」を提案しました。その運営には、仕事を定年退職されたアクティブシニアの方々が関わることで、地域が一体となって取り組むことができ、地域課題の解決にもつながる点を強調しました。

 政策提案することは初めてでしたが、1つの課題に対して様々な角度から検討した上で提案としてまとめることができ、大変良い経験となりました。このような機会を設け、提案にご協力してくださった皆様に感謝申し上げます。


久保田 野愛さん(法学部3年)コメント                                                    

 私たちのグループでは、ゆるキャラブームが落ち着いてきた中で、佐野市のゆるキャラ「さのまる」と佐野市の特産品をいかした定期市「マルシェ」をかけ合した「佐野マルシェ」を提案しました。

 この提案に至るまでは決して平坦なものではありませんでした。最初のグループ内での話し合いから、どの意見を採用すればいいのか、佐野市に最適な案とは何なのかを考えていく上で意見の対立がありました。本番までに果たして意見がまとまるのかと不安になっていたことを今でも覚えています。しかし、私たちは最善を尽くし、良い案を追求し続けました。

 そんな中迎えた岩﨑教授への中間発表。精一杯発表しましたが、私たちの考えていた案では他の施設との差別化ができない点、提案内容と目的がずれている点をご指摘いただき、改めて1つの問題に対して対策を考えることの難しさを知りました。このままの案では歯が立たないことを知り、グループ内のゼミ生と何度も意見を交わしながら内容の改善を行い、一つの案にまとめることができました。その結果、プレゼン本番は自信を持って自分たちの提案内容を発表することができました。

 色々な方々から発表の内容・方法に関してお褒めの言葉をいただいたとき、私は改めてやって良かったと心から感じました。このような貴重な経験をさせていただき、私自身大きく成長できたと思います。岩﨑教授とゼミ生の皆様そして佐野市役所の方々に感謝申し上げます。ありがとうございました。 


佐野市長(前列左から4番目)と岩﨑ゼミのメンバー


プレゼンテーションを行うゼミ生


プレゼンテーションの様子(写真は全て佐野市提供)

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