5月10日、小山市長の浅野正富氏に経営学部の学生を対象とした講義を行っていただきました。これは、第一線で活躍する実務家から直接講義を受けることができる「現代企業行動論」の第4回目で、本学における浅野氏の初講義ともなりました。
経営学部の「現代企業行動論」は「生きた経営学」を学ぶことを主眼とした講座であり、栃木県経済同友会の協力の下、県内の優良企業のトップやNPO経営者などから経営の現場の話を聞くことができます。また、就職活動に備えて企業が学生に何を期待しているのかを知る機会となるため、学生からの人気が高い授業です。
ご登壇いただいた浅野氏は33年間の弁護士活動で数多くの倒産事件に関わり、事業に失敗した事例を扱ってこられました。今回は、手掛けてきた企業破綻案件の中から各事例における現場についてお話しいただき、「失敗しない起業」の条件を考える講義となりました。浅野氏が自身の弁護士として培ってきた知識や経験だけでなく、人生を通して得た考え方なども織り交ぜ、「起業する上で不遇時代をどう乗り切るかが大切である。勝つということよりも負けないということをモットーに、冷静に考えてほしい」と、メッセージをいただきました。学生たちは普段の講義では聞くことができない経営の現場の話に関心を示し、真剣な表情で受講していました。
【講師紹介】
■浅野正富(あさのまさとみ)氏
小山市立間々田小学校、間々田中学校、栃木県立宇都宮高等学校、早稲田大学法学部卒業。昭和63年、弁護士登録。平成4年、小山市内に浅野正富法律事務所開設。平成21年、NPO法人ラムサール・ネットワーク日本事務局長(現在は理事)となり、市民活動にも積極的に参加。令和2年7月、小山市長就任(現在に至る)。
【授業を企画した白鴎大学ビジネス開発研究所小笠原伸所長コメント】
浅野市長からは自らのご経験から起業をめぐる実情や失敗した人々から得られる教訓など長い弁護士生活を背景とした有益なお話をいただき、聴講する学生の反応も大変良かったと感じています。講義への質問も多数あり、これにより起業のみならず地域での新しい取り組みに臨もうとする学生が出てくることを期待するとともに、更には小山市政への学生の理解も深まったことと思っています。お引き受けいただいた浅野市長並びに小山市役所には感謝申し上げます。
学生に講義を行う浅野氏
2021年5月14日付け 下野新聞