MESSAGE

MESSAGE

PRESIDENT OF HAKUOH UNIVERSITY

MESSAGE 48

新入生へのメッセージ

新入生へのメッセージ

 新入生の皆さん、ご入学おめでとうございます。社会への最後の関門を白鴎大学でお迎えになる皆さんを、心から歓迎いたします。

 ところが、皆さんを出迎える門出が世界各地で猛威をふるう新型コロナウイルスの影響で、入学式を中止せざるを得ないことはとても残念です。しかし、ものは考えようで、厳しい第一歩を踏み出すことは、それはそれなりに大事なことかもしれません。人生は山あり谷ありです。皆さんは、たまたま大学を谷底から始めただけのことです。いずれ、輝かしい嶺を迎える日も来ることでしょう。

 ところで、本学は教学の根本をリベラル・アーツに置き、学生たちの「大局観」と「行動力」を養うことを目的としています。もとより、リベラル・アーツという科目を特別に設けているわけではなく、英語、情報科学、スポーツなどに注力し、トータルとしてリベラル・アーツの学問となるように努めたいと願っております。

 大学四年間の学問で学問の蘊奥(うんのう)を極めることは不可能との認識に立って、学問を生かすという観点から、学問を理解することに力点を置くという教育方針をとって、英米の大学の教育方針に近づくことを考えているわけです。大事なことは、学者を養成することではなく、受けた学問をどう実社会に生かすかです。

 言ってみれば人間には、「ウジウジ、ギスギス」型の人間と、「ニコニコ、イキイキ」型の人間がいます。そして、白鴎大学の学生が社会から歓迎されるのは、まさしく後者型の人間が多いからだと思われます。それはまぎれもなく、この北関東の風土が生んだものといっても過言ではありません。なんといっても、ここは坂東武者の活躍した中心地で、力強く大らかな気風の充満した土地柄だったのです。人々の気風は自ずから悠々たるものがあります。しかし、そうとばかりは言い切れません。長い間足尾銅山鉱毒事件なども経験しているのです。

 いま考えるべきことは決して少なくはありません。しかし、大切なことは未来です。希望です。このことは、この北関東の大地に息づく大切なもの。「ニコニコ、イキイキ」という気風を大切にし、白鴎大学を起点として、この大らかな気風をますます強め、北関東の、そして新しい日本の建設の基盤となる人材を生み出そうと考えているからです。大切なものは、未来を担う皆さんの気力です。皆さんを迎えたことが、その第一歩だと信じます。

 さあ、ご一緒にコロナを乗り越えて、元気な白鷗大学をつくりましょう。そして、日本を。皆さんのご入学を心から歓迎いたします。


2020年4月1日

白鴎大学

学長 奥島孝康

英語版はこちら