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PRESIDENT OF HAKUOH UNIVERSITY

MESSAGE 63

2020年度卒業式学長式辞

2020年度卒業式学長式辞

2020年度卒業式 学長式辞

学長 奥島孝康


 本日の卒業式に臨むのは、経営学部420人、法学部289人、教育学部472人の3学部に加えて、大学院は経営学研究科1人、法学研究科2人の合計1184人となります。


 卒業生の皆さん、ご卒業おめでとうございます。心からお祝い申し上げます。


 今年度は新型コロナウイルス感染症の影響を受けて、大学の最終学年で大変な目に遭われました。途方にくれて、なすところもなく茫然と過したこともあったかもしれません。しかし、日頃やれなかったことに集中したり、大学で興味を持ったさまざまな問題にじっくり時間をかけて取り組めたのではないでしょうか。勉強というのはかたちではなく中身であり、諸君がこの間じっくりと人生論を考えたということも一つの大きな勉強です。それがこれからの大きな成長を支える源になるものであります。どうかそういう意味で、自信を持って世の中に出てほしいと思っております。


 そして本日「コロナ禍」の異例の卒業式に臨まれました。この事態をくやむだけではなく、この苦境の中で悪戦苦闘を強いられながらも、無事卒業できたことを感謝しましょう。教職員はもとよりでありますが、諸君の卒業を喜び、支えていただいた父母兄弟、その他の方々に、今の喜びを社会人としてお返しすることをひそかに心に誓いましょう。


 私たちが諸君を白鴎大学の卒業生として、新たに世の中に送り出すにあたって、ぜひとも諸君に覚えておいて欲しい3つのことについて申し上げておきたいと思います。


1つ目は、白鴎という名前に込められた、カモメの優美さつまりスマートさ、人間としてのスマートさを忘れないことです。世の中に出ても、常にスマートであらゆる人たちから歓迎され、あらゆる人たちから共感され、あらゆるひとたちに尽くすことのできるようなそういう生き方というのをぜひ心掛けてほしいと思います。


2つ目は、白鴎の飛翔力を支える、ねばり強さを忘れないことです。ねばりは、忍耐力、精神力、あるいは耐久力というようないろんな言い方をされますが、人生におけるあらゆる勝負、あるいは人間としての生き方の最終的な勝負は、このねばりによって決まるのです。ねばりがあるかないかで諸君の人生というのはまるで変わってくるでしょう。どうかそういう意味で、このねばりをしっかりと心掛けるようにお願いします。


そして、3つ目は、「プルス・ウルトラ –さらに向こうへ‐」であります。学祖の願いもすべてこれに込められています。自分の立っているその位置で満足しない、現状を満足しない、さら先へ、さらに上へ、さらに遠くへという風に私たちはその先を常にめざしてきました。どうかこの「さらに向こうへ」という精神を忘れないで、現状を越えてさらに先へ行く、そういう思いを持ち続けることを心からお願いしたいと思います。


 みなさんは今日をもって、大学と決別し、コロナ禍に加え、さらに厳しい社会の風に吹きとばされそうになりながら、新しい人生の第一歩を踏み出すことになるのです。人生に思いがけないことがあるものです。しかし、校歌にもありますように、われわれは、黎明に道を開き、大空へ向かって高く高く飛翔することを覚悟してきました。いまこそ白鴎大学の卒業生として、いま一度、校歌を思い出し、「黎明に道を開け」の気概をもって、社会人としての堂々たる第一歩を踏み出してください。諸君の前途を祝して、エールを送ります。フレー、フレー、白鴎生!!


 本学の前身「足利裁縫女学校」の学園の母 上岡た津先生は女学校のモットーを「つよくやさしく」と定めましたが、それは「人は汗によって強くなり、涙によって優しくなる」という思いをこめたものだった。「汗と涙」こそ本学の原点なのです。みなさん、卒業後もこの「汗と涙」を決して忘れないように。白鴎生がんばれ!