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PRESIDENT OF HAKUOH UNIVERSITY

MESSAGE 45

卒業生に贈る言葉

卒業生に贈る言葉

 卒業生の皆さん、おめでとうございます。せっかくの人生の一つの区切り目であるにもかかわらず、世界各地で新型コロナウイルスの感染が拡大する中、多くの会合、式典等が中止ないし延期となっています。本学でも式典は中止とし、学位記・卒業証書の授与を学部・専攻別に卒業生と教職員のみで執り行うこととなりました。


 しかし、式典こそないけれども、諸君が卒業することに変わりはありません。私は、諸君たちが、先輩たちと同様、必ずや社会から歓迎を受けることを確信しております。白鷗大学の伸び伸びとしたキャンパスで、大らかに育って、活力に満ちた君たちが社会に新風を巻き起こしてくれることを期待されているからにほかなりません。どうか、くれぐれも元気で、社会での活躍を祈っております。


 ところで、諸君はこの白鷗大学で、先生方から白いカモメの優美さと力強い飛翔力から「大局観」と「行動力」とを中心にリベラル・アーツを学んできたことと思います。これはギリシアの学問に源流をもつものであり、アジアでは、中国の文化の最盛期といわれる唐時代の教養科目「琴棋書画」、つまり、音楽、囲碁、書道、絵画の四芸を言います。


 文人(教養人)とはこの四つを学んだ人たちを指し、これらの人が教養人とみなされたのです。もとより、教養とは厳密な意味で先の四芸とまったく同じではありませんが、それらを中心に幅広い人間づくりがめざされたのです。これがすなわち「リベラル・アーツ」という英米の学問体系であり、本学はそこをめざしております。


 皆さんは、気付かなかったかも知れませんが、本学ではこのリベラル・アーツを中心とする学問を学んでいたのです。それゆえ、自由で、そして大らかで、幅広い知識体系の中で、ゆったりと生き生きと勉学に励んでいたのです。これからも、社会の中にあって、これまで以上に、自由に伸び伸びとさらに大きく育ってください。


 皆さんが、本学で社会の人々から期待されるように大きく育っていただくことを心から念じております。


学長 奥島孝康