白鴎大学 HAKUOH UNIVERSITY

法学部

講義の受け方

講義の受け方

法学プロパーの学習法については他のところで解説するだろうから、ここでは一般的な講義の受け方について言っておこう。

1. ノートをとろう

大学の講義の3分の2はノートをとることに終始する。しかしこれは、ただペンを走らせて文字を書くだけではない。
ノートをとる、というのは、勉強する、ということとほとんど同じだ。ノートに書きながら頭に入れ、考え、疑問を持ち、先に進む。その繰り返し。
もしもノートをとらないと、教員の言葉が右の耳から左の耳に抜け、1分後には何を言ったか分からなくなる。1時間たつと、内容は全然覚えていない。
人間はサルではない。文字というありがたい利器を発明したのだ。ノートをとろう。
ノートはどんなものがいいか

  • 大学ノート派:バラバラにならず日付ごとに系統的に書ける
  • ルーズリーフ派:教科ごと、日付順、教員順など自在に移動可能
  • レポート用紙派:ルーズリーフの利点+軽い(ただしパラパラして面倒)

以上、3種のうちどれがいいかは各自が決めればいい。
いずれにしても、日付、教科名を書いておけば、あとで整理することができる。
ノートの余白は余らせよう。余白を十分にとって書こう。ケチってはならない。

2. 板書に頼るな

ノートをとる、と言うと、教員の板書したのを写すことだと考えている人がいる。これは絶対に間違いだ。

板書したことを書き写すのは、当たり前の最低限の行為に過ぎない。なかには板書をしない教員もいるし、したとしても黒板には単語だけを書く教員も多い。相当板書する教員でも、やはり板書の中身は骨だけだ。

教員が板書をしないところに実は「極意」がある。板書は、これをしないと分かりずらい単語や用語があるからやっているだけで、教員が本当に言いたいのは、板書ではなくパッと言ってしまうことが多い。だから、教員の一言一言に聞き耳をたてることが大切。

ノートをとるのは社会にでるためにも必要だ。大学を終えて仕事に入ったら、立ったままで上司や顧客の言葉をメモしなければならないことも多い。研修会や資格取得の勉強などもある。板書を写すのではなく、前に立ってしゃべっている人の言っていることを書き写すのは大事な訓練になる

■ ノートの程度
教員の言ったことはほとんど書き写す。これがいちばんいい。
教員の言ったことをかいつまんでノートする。これでもいい。
板書されたことだけ写す。→不十分。
板書も写さない。→最低。これでは勉強にならない。

3. 前の席と後ろでは座席料が違うと思え

大学の教室は高校までと違って、大きい教室小さい教室、いろいろある。小さい教室なら問題ないが、大きい教室だと教員の顔がはるかかなたというところもある。

同じ授業料を払って授業を受けているのだ。はるかかなたの人間の話を聞くのと、すぐそこに立っている人の話を聞くのと、どちらが理解が深まるか。考えたら分かる。

大きい教室の前の方の座席と後ろの座席とでは料金が違うと考えた方がいい。コンサートだってサッカー場だって、いい席と悪い席がある。大学も同じだ。

悪い席は板書も見えにくいし、教員の声も聞こえにくい。

いい席は教員との肌の触れあい、生の迫力がある。教員から顔を覚えられると、いいこともある(悪いこともあるかも知れないが)。

いちばんいい席はどこか。

いちばん前の席は、いちばんいい席ではない。

クラシック・コンサートを思い浮かべよ。前から3番目から半分まで、横は中心線をはさんで真ん中5分の3くらいのところ。ここがいちばん声が通り、よく聞こえて、授業にも身が入る。

4. 教員に質問しよう

最近の学生は、びびっているのか、必要性がないのか、教員に質問するということがまずない。これでは駄目だ。

授業中だって構わない、講義後に少しの時間質問をするのも構わない、教員の研究室に行って質問しても構わない、とにかく分からないことがあったら教員に質問しよう。質問料はタダだ。質問をして嫌な顔をする教員がいたら、それはそういう教員なのだと軽蔑していい。

ただし、質問するなら責任を持とう。たんに「聴き落としました」とか「この人(事件、法律等)は誰(何)ですか」といった自分の落ち度や無知を原因とする質問は、聴きに来ないよりはましかも知れないが、学生にとっては本当の勉強にならない。

「○○と言われましたが、それはどのような意味ですか」とか、「先生は××とおっしゃいましたが、こういう風に考えるのは駄目でしょうか」とか、積極的に内容に関わる質問をしてくれれば、教員というのは有り難がって身を乗り出す人こそあれ、迷惑がるような人はいない。信頼していい。

5. 友だちをつくろう

勉強をするうえで友だちは味方だ。休憩時間が楽しいだけではない。授業のとき自分の席を確保してもらえるし、休んだときにはノートを貸してもらえる(もちろん逆の場合は貸してあげよう)。

ただし、授業中、友だちどうしの私語は厳禁。厳密に言えば、私語をもちかける友人は友だちではない。勉強の敵だ。さりげなく迷惑がるか、たしなめるか、それでも駄目な場合は、さっさと縁を切ろう。

法学部教授 清水正義